ケムじぃ。

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石畳のケム.JPG去る、12月4日に当院の高齢マスコット犬、ケムじぃが他界いたしました。5年前に保護した時、すでに10歳を超えていると思われたケムが大きな病気もなく5年間もの間私たちと共に過ごしてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

走りケム.jpg保護したころは軽快に走っていたケムでした。まだ私たちも勤務医だったこともあって、連休をもらっては海へ、山へとケムをつれていろいろなところへ行きました。

開院してからはそうそう出かけることも出来なくなりましたが、もともと人が大好きなケムは入院の子の面会にこられた飼い主さんに寄って行っては、なでたり声をかけていただいたりして楽しそうに過ごしていました。飼い主さんの中には「ケムちゃんみたいに高齢で頑張ってる子を見るとすごく励まされます」といって下さるかたもおられました。

 

 

 

 

 

 

 

横取りケム.JPG笑いケム.JPG

 

しらたまが新メンバーとして加わると今までとは違うケムを見ることができました。しらたまの小さな小さなケージに無理やり入り込んで子犬用のゴハンを横取りしてしまったこともありました。(白玉の不満そうな顔!) ワンコが増えたことはケムにとっては楽しい出来事だったようです。年齢がかなり違うのでじゃれて遊ぶわけではありませんでしたが、よく一緒に行動していました。

 そのおかげか、しらたまのしつけはケムがほとんどしてくれました。絶妙のタイミングで小さく「ウー」とうなったり、人にはまねできない素早さで頭を前手でぐっと押さえたりするのはさすがでした。おかげでしらたまは賢くて頑固な、いい子に育ちました。(←親バカ)眠りケム.JPG

 

 今年に入ってからのケムはちょっとずつ体に不調が出てきて、歩くのもゆっくりゆっくりになりましたし、立ち上がるときに介助が必要にもなりました。寝ている時間も長くなってきていました。なのでうすうすは予感していましたが・・・いざ亡くなるとあまりの寂しさで眼が腫れて開かなくなるほど泣きました。いい歳してとか他にもたくさん飼ってるとか、そんなことは関係ないんです。悲しいものは悲しいんです。

少し落ち着いた今でも悲しくてつらい気持ちはありますが、それでもやっぱりケムを飼ってよかったと思います。5年の間に楽しいことが山ほどあって、もしケムがいなかったらそれら全てがなかったのだと思うと、とんでもない損をしていたことでしょう。

願わくばケムも同じように思っていてくれたのならうれしいのですが。

この場を借りて、よく「ケムちゃん元気ですか?」と声をかけてくださった皆様、おじぃの世話をしてくれたスタッフのみんなにお礼申し上げます。