わんこ: 2011年5月アーカイブ

診察以外でも急患などが続いて忙しかったせいでしょうか。

昨日、夜中の2時頃にパソコンの入力をしていたら、ウトウトしてしまったようで・・・

 

 

「ワンワンワンワン!!」

 

 

だいずの大きな声で「ハ!」と目が覚めました。

すると椅子に座っている私の太ももにアゴを乗せてじっとこっちを見ているだいず。

「だいず?」

と声をかけると、ブリンブリンにしっぽを振りながら顔を舐めまくられました。

 

どうやら私、ゆらゆらとフネを漕いでいたようで・・・

「おかーちゃんが何かおかしい!!!」と思ったのでは・・・。

その後もしばらく私にピッタリくっついてこっちを見てました。

くううう!かわいいヤツめっ(あくまでも想像です。)

びっくりした。.JPG

ひかりピンチ!.JPGごぶさたしております。春の予防がはじまりましたね。特に蚊にさされて感染するフィラリア症の予防はもう待ったなしの時期です。

フィラリア症は有名ですが、予防については 「良く分からないなぁ」 「動物病院で言われるままにしてる」 などとおっしゃる方が案外多いので、ぜひ覚えてください。

*ちなみに「フィラリアという横文字がややこしくて読む気になれない!」と言う方は、ぜひ「フィラリア」を憎しみをこめて「そうめん野郎」とでも置き換えて読んでみてください。

① フィラリアはそうめんに似た寄生虫です。

  (蚊の幼虫ではありませんヨ)

② 蚊もわんこと同じく「感染」しています。

  *感染してない蚊もいます。

③フィラリアの 「予防薬」 は正確には 「駆虫薬」 です。

 「蚊に刺されなくする薬」と思っている方もたまにいますが、わたしたちより体温の高い動物たちが蚊に狙い撃ちされるのは防ぎようがないことなのです。ですから体内に入ったフィラリアを確実にやっつける必要があるのです。その方法がミソで・・・。

Fしくみ.JPG

 

上の図のように、体に入ったフィラリアの幼虫を一ヶ月分まとめてやっつけているんです。で、なんで一ヶ月なのかと言いますと、動物の体に入ったフィラリアはしばらくの間、血管には入らず成長(脱皮)のために皮膚の下や筋肉などに潜んでいるんです!(キモチワルッ!)このあいだに駆虫薬を飲めばフィラリアの子虫を一網打尽にできる、というしくみなのです。

 

*ちなみに万が一、脱皮後のフィラリアが血管に移動したのを知らずに予防薬を飲ませるとワンコが大変なことになります。そのため毎年飲み始めの血液検査が必要なのです。

 

ここで察しのいい方は気づかれたかもしれませんね。近年では3月末ごろにはもう蚊を見かけますが、予防が4月末からでいいのはこの「一か月分まとめてやっつけ!」のためなのです。そして10月末ごろまでしか蚊を見ないのに12月はじめごろまで予防薬を飲むのもおなじ理由です。

 

フィラリアに感染してしまったワンコを診ることがありますが、末期などは本当に苦しそうで見ててめちゃくちゃつらいです。飼い主さんもつらいでしょうが、どんなに泣いて後悔してもとりかえしがつきません。犬という動物を飼いたいのならばフィラリア予防は基本中の基本!絶対に予防してあげてください!

ちなみにわんこ以外はかからないの?と思われたかた。「いい質問ですね~。」

ワンコよりはかかりにくいのですが、にゃんこやフェレットも感染します。感染してしまうとワンコよりずーっとひどい症状が急性に出ます。(当院では予防をおすすめしています。)また私たち人も、免疫力がすごく低下していた方で感染の例があるそうです。