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「赤い」おしっこのはなし

「おしっこが赤い。」

さてどのような病気が考えられるでしょう?

尿の色が赤いといっても血であるのか、血は出ていないが血の色素であるヘモグロビンや筋肉の色素であるミオグロビンが出ているのか考えなければならない。

また、血が出ていたら膀胱~尿道からなのか、腎臓などからなのかなど一般的に「血尿」とされている「赤いオシッコ」にはさまざまな原因がある。

 

今回の症例は頻尿傾向があり、見た目には普通の色の尿をしていたワンコです。

最初に頻尿が認められたときの尿検査では顕微鏡レベルで赤血球がちらほら確認できるレベルだった。

また、尿中には細菌感染が多数認められたが、結晶(これが集まって結石になる)は認められない。しかし、PH8.5とかなりアルカリ性。症状が続くなら、既に結石が形成されている可能性、膀胱腫瘍などの可能性も含め今後、エコー検査が必要だろう。

 

Q.レントゲン検査ではなくてエコー検査。なぜ?

A.それは膀胱結石の場合、ふつうのレントゲン検査ではうつらない場合がありレントゲンでは膀胱内部の状態は把握できないため。つまり膀胱に関してはエコー検査のほうが精度が高い!ということです。

 

で、細菌をやっつけるために抗生物質をのんでもらったが一週間後、「まだ頻尿・・・」。

尿検査をする。細菌はかなり少なくなっている。しかし、まだ赤血球は確認できる。エコー検査をしましょう。

膀胱にエコーのプローブを当てた瞬間「・・・結石。でかいのがひとつ。」

ということで今回の診断は「膀胱結石からの膀胱炎」。

 

 

 

                エコー検査                レントゲン検査   20110127-2.jpg

かなりの頻尿傾向がありこの子は苦しんでいる。さすがにここまで大きくなっていて溶けるかどうか分からないものを放っておくことはできない。

とのことで、手術での摘出となりました。

膀胱の中の結石はひとつで、小さなものも取り残さないように確認した。手術は無事、終了!

 

20110127-1.jpg

後日、結石分析の結果が出た。

リン酸アンモニウムマグネシウム 98%以上

ストラバイトという結石だった。

本人も楽になったようで今では頻尿傾向もなく楽にオシッコができるようになった。今後、同じ苦しみをを繰り返さないように気をつけてあげなければ・・・。

 

犬の場合、この結石は体質によることもあるが細菌感染が原因で見られることが多く、石が小さかったり、結晶のレベルであれば溶かすことができるつまり、初期で発見できれば手術は必要ないことが多い。

しかし、結石の種類はこれだけではない。実際には溶かすことのできない種類の結石がほとんどである。だが原因はそれぞれあり、食事内容などさまざまな管理でコントロールすることが可能である。

 

家族の方が尿の仕方がおかしい、と思うときは既に強い炎症などが起こってからです。膀胱炎などは定期的にチェックをしていけば早期発見、早期治療が可能なことが多く、食事療法も含めその子の体質に合わせた治療を考えることが一番だと思います

東大阪のライカ動物病院